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口裂け女

口裂け女

【口裂け女】──日本中を恐怖に陥れた“あの女”の正体とは

1970年代後半、日本全土を震撼させた都市伝説「口裂け女」。 その姿を目撃したという噂が飛び交い、学校では集団下校が行われ、パトカーが巡回するほどの社会現象となりました。

口元にマスクをした女性が、子どもに近づいてこう尋ねる。

「わたし、きれい?」

今回は、この“口裂け女”の誕生と広がり、その背景にある恐怖心理、そして現在に至るまでの変遷を詳しく見ていきます。


■ 口裂け女の伝説とは?

口裂け女は、外見は一見ごく普通の若い女性。 長髪にマスク姿で現れ、道を歩く子どもや若者に「わたし、きれい?」と問いかけます。

「きれい」と答えると── マスクを外し、耳まで裂けた口を見せて「これでも?」と続け、最終的には鋭利な刃物で襲いかかるとされます。

「きれいじゃない」と答えた場合も殺される、逃げても追いかけてくる、という凶暴なイメージがありました。


■ 発祥は岐阜県?最初の噂とその拡散

1979年ごろ、岐阜県で「マスクをした女が子どもを追いかける」といった内容の噂が急速に広まり、新聞やテレビでも取り上げられました。

これがやがて「口裂け女」という名前と特徴を伴って全国へ拡散。小中学校では集団下校が導入され、一部地域では警察がパトロールを強化するなど、社会全体が“恐怖”に対応する体制を取ったことも記録されています。

噂は北海道から九州まで日本全国へと波及し、瞬く間に社会現象に発展しました。


■ 考察:口裂け女はなぜここまで恐れられたのか

  • マスク姿という日常性:誰でもなり得る、ありふれた姿だからこそ身近で怖い。
  • 子どもを狙う存在:無差別で予測不可能、特に親世代にとって強烈な脅威。
  • “美”に対する問いかけ:一種の社会批判・ジェンダー的テーマも見える。
  • メディアの影響:新聞・テレビ・学校だよりが恐怖を助長。

このように、口裂け女は単なる怖い話ではなく、当時の社会心理を映し出した“鏡”でもありました。


■ 派生と現代への影響

その後も口裂け女はホラー漫画、映画、テレビ、ゲームなど様々なメディアに登場。

  • 1996年:映画『口裂け女』が公開。
  • 2007年:映画『口裂け女2』が製作され、再び注目を集める。
  • ゲーム『SIREN』など、都市伝説系ホラー作品にも頻繁に登場。

また、2010年代以降は「口裂け女の弱点」として

  • 「ポマードと言うと逃げる」
  • 「飴を渡すと去っていく」

といった“対処法”も話題となり、ネットミーム化が進んでいます。


■ 実在するモデルはいたのか?

一部では、整形手術に失敗した女性や、DV被害者がモデルになったという説もささやかれています。

しかし、それを裏付ける証拠はなく、都市伝説としての性質が強いと言えるでしょう。

ただ、1970年代当時の日本における“女性の社会進出への不安”“見た目へのプレッシャー”などが背景にあり、そうした空気感がこの伝説を“リアル”にしたとも考えられています。


■ まとめ:口裂け女が遺したもの

口裂け女は、単なる怪談ではなく、時代の空気と人々の不安を反映した都市伝説です。

社会現象としてのインパクト、子どもたちの記憶に刻まれたトラウマ、そして現代でも語り継がれる恐怖。

それは「いつ、どこで、誰が“恐怖”になるか分からない」という、都市伝説の本質を体現する存在です。

あなたの後ろにも、もしかすると──

「わたし、きれい?」と問う声が、聞こえてくるかもしれません。


■ あなたはどう感じた?

もし口裂け女に「わたし、きれい?」と聞かれたら、あなたはなんと答えるでしょうか?

正解はありません。だからこそ、この伝説は何十年経っても語り継がれ、私たちの心に影を落とし続けているのかもしれません。

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